- 2011-05-13 (金) 10:22
- セミナー
2011年05月11日(水)古北湾大酒店にて行われた
上海マーケティング・戦略研究会(SMSW)の
2011年 第2回セミナーに参加してきました。
今回は
ローカル企業の事例に学ぶ中国デジタルマーケティングの成功要因
~日本人の知らない成長率約290倍の凡客とは~
というテーマで
BILCOM China 総経理のTony Leeさんが講演。
Tonyさんは、韓国15年、アメリカ14年、中国15年、日本2ヶ月滞在し
4つの言語を操り、中国初のアバターコミュニティモデル導入や
世界初のLED船ローンチ等、グローバルで幅広い実績を持つ人物です。
中国の若者に大人気のネットショップ、凡客(生粋の中国企業)の事例が、
こらから中国参入を考えている日系会社の
デジタルマーケティング参考になればと思います。
真似と改善
VANCLは、PPGという男性シャツ専門ECサイトのビジネスモデルを真似して
2007年10月にスタートしたアパレルECサイトで
2010年には売上が20億元(250億円)に達しています。
PPGは2005年5月にスタートし、「低コスト生産」「低価格・高品質の商品」
「大規模広告投入によるブランド認知」をすることで
27ヶ月で10億元の売上を達成していながら、2008年に消滅してしまいました。
過大な広告投入や、工場との法的問題が起きたのもさることながら
顧客サービスの失敗が、PPGが廃業した一番の原因でした。
顧客体験第一主義
VANCLは、PPGの「低価格・高品質の商品」はそのままで
顧客の目線でサービス全体を再構築することに注力しました。
サイトも、今までに5回リニューアルをしています。
グローバルナビゲーションを例にすると、
商品販売実績の高いものをロゴマーク直下にくるように並び替えをしています。
日本のようにカテゴリーごとに整理されているメニューよりも、
みんなが買っている商品にワンクリックでたどり着けることを優先しています。
![]() |
日本人が見ると「ごちゃごちゃ」している風に感じますが、
中国人の感覚だと「にぎやか」で「使いやすい」インターフェースのようです。
英語サイトは、欧米人を意識したインターフェースになっています。
24時間配送、30日内無条件返品
VANCLは、顧客との接点を大切にしています。
一時期はPPGと同じように、顧客からのクレームが多かったのですが、
顧客との最終接点である配送の部分を、他社へ外注せずに、
自社スタッフを使うことで、顧客へのサービスを向上させました。
たとえば、ヘビーユーザーのOL達は、
何十枚もの商品を注文して会社へ届けてもらった後、
みんなでワイワイと社内で試着をし、気に入った商品だけを買い、
いらない商品はその場で直ぐに返品をしてしまいます。
こんな買い方、日本人はやれないと思いますが
中国人の感覚にはとっても合っているのです。
自社配送などで、運営コストは20%アップしたものの
2回目の購買率が50%以上になりました。
我是凡客
VANCLの屋外広告のメッセージを見てみましょう。
「インターネットが好き、自由が好き、遅く起きるのが好き、
夜の屋台が好き、カーレースが好き、29元のTシャツも好き、
俺は先駆者なんかでもない、誰かの代弁者でもない、
俺は韩寒、俺はただ自分を代表するだけ。
俺はあなたと同じ。俺は凡客。」
「演技が好き、仮装は嫌い、頑張るのが好き、
生活をエンジョイするのも好き、綺麗な服が好き、割引タグはもっと好き、
私は大スターなんかでもない、私は王珞丹。
私は特別じゃない、私はとっても特別。
私は他人と違う、私はあなたと同じ、私は凡客。」
どうでしょう?
ブランドからのメッセージと、
ターゲット層の感覚がぴったり合っている気がしませんか?
この凡客のメッセージは、ネットでブームになり
似たような広告が沢山でてきました。
韩寒と王珞丹のCMも上記のメッセージを表す作りになっています。
凡客宣传片王珞丹版 – http://v.youku.com/v_show/id_XMjIxMjcxOTMy.html
凡客视频广告韩寒版 – http://v.youku.com/v_show/id_XMjIwMDUxMTQw.html
おまけ
凡客品牌介绍广告 – http://v.youku.com/v_show/id_XMjU2Njg0MzA0.html
19億元のウェブ広告
VANCLのマーケティング全体像は、この図のようになっています。
このなかで、CPS(アフィリエイト)が大きなウェイトを占めています。
法人、個人、大手サイトからのユーザー導入をさせるため
アフィリエイトのコミッションレートが商品価格の16%となっています。
(2011年5月からは10%に変更)
また、VANCLのサイト内に、「凡客達人」というコーナーがあり、
個人がVANCLの商品をコーディネートし、写真をアップロードすると
50元の商品券がもらえ、その掲載された商品を消費者が買うと、
達人に対してコミッションが支払われる形になっています。
消費者は、自分自身と同じような背格好の人のコーデを見る事で
その商品が本当に似合うかどうか分かります。
達人は、このサイトで自己アピールすることで有名になれて
かつ、儲けも得る事ができます。
VANCLとしては、ブランドイメージアップができ、
若者文化として定着をすることで、収益もアップできます。
消費者、達人、VANCLの3者がwin-winになる形です。
ウェブ広告モデルの進化
ただ、この凡客達人が最初からあった分けではなく
次のような変遷でウェブ広告モデルが進化しています。
ブランド認知をさせるときは、マス媒体へ出稿をし
ファンがつき始めてきたら、徐々に個人の口コミ誘発へ移行してます。
品質価格の時代から顧客体験へ
VANCLは、一番はじめのコンセプトがしっかりしていて
それを着実に浸透させるような広告展開、サイト展開をしています。
ターゲット消費者の思想や価値観、生活方式などのインサイトを
肌で感じられるような、顧客体験によってブランド構築をすることで
欧米ブランドと勝負をしています。
今までの日系企業の考えだと、日本のやり方をそのまま中国に持ってくれば
品質、価格面で優位に立てると思いがちですが、
日本人とは違う、中国人の感覚に合ったメディア活用、広告展開を考えないと
世界一の市場となった中国で生き残るのは難しいでしょう。
感想
今回のセミナーを聞いていて、一番強く感じたことは
「アピール旺盛・有名になりたい・お金がほしい」
という中国人のメンタリティです。
「私は他人と違う、私はあなたと同じ、私は凡客。」
の言葉のように、オンリーワンとして見られたいんだなと、思いました。
〜〜〜〜
上海で面白そうなセミナーがありましたら、ぜひ教えてください。
気が向いたらレポート書きますので。
advice@shakehand.jp
- Older: [写真追加] 家財リスト

